探偵との契約・解約で困らないために|契約書で見る8つのところと、困ったときの相談先【漫画でわかる】
探偵と契約したら、探偵業者は遅滞なく、契約の内容を書いた書面(契約書)を渡すことになっています(探偵業法第8条2項)。困らないためにいちばん大事なのは、その書面で「調べる内容・期間・方法」「お金の額と払い方」「やめるときのルール」の3つを確かめておくことです。
途中でやめたくなっても、全額を払わなければならないとは限りません。ただ、原則は契約書のとおりになるので、決める前に読んでおくことが、いちばんの備えになります。困ったときは、消費者ホットライン「188」で、近くの消費生活センターに相談できます。
この記事で分かること
- 契約書(契約のあとの書面)で、付箋を貼って確かめたい8つのところ
- 調査の前・途中・あとで、やめたくなったときの考え方
- 書面をもらえない、しつこく勧誘されたなど、困ったときの相談先
『ゆりの一週間』「付箋だらけの契約書」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:夜のダイニング。書面を広げるゆり(心の声)「持ち帰ってきたけど、どこを見れば…」
- 2コマ目:テーブルの上のホーさん「分からないところに、付箋を貼るホー」
- 3コマ目:付箋を貼っていくゆり「延長のこと、やめるとき、報告書…」
- 4コマ目:翌日の相談室。付箋だらけの書面を見せるゆり「質問を、まとめてきました」
- 5コマ目:佐伯さん「ひとつずつ、ご説明しますね」
- 6コマ目:付箋に答えを書きこむゆり(心の声)「聞いた答えも、ここに書いておこう」
契約書は「ここ」を見る:付箋を貼りたい8つのところ
結論:契約のあとにもらう書面には、法律で書くことが決まっている項目があります。その項目ごとに、「書いてあるか」「説明と合っているか」を確かめます。

探偵業法第8条2項では、契約したときに渡す書面に書くことが決められています。そのうち、業者の名前・住所と、担当者の名前・契約した日(表の下)をのぞいた項目を、「調べる内容・期間・方法」を3つに分けて、8枚の付箋にしました。法律の項目と数は同じ8つですが、分け方が違います。
| 付箋 | 契約書のどこ | 確かめること・聞くこと |
|---|---|---|
| ① 調べる内容 | 調査の内容 | 「何を調べて、何を報告するか」が、自分の目的と合っているか |
| ② 期間 | 調査の期間 | 何日・何時間か。いつからいつまでか |
| ③ 方法 | 調査の方法 | 何人で、どう調べるか。違法な方法を使わないと説明されたか |
| ④ 報告 | 報告の方法と期限 | 報告書をいつ・どんな形で受け取るか。途中の連絡はあるか。写真や動画は、見せてもらうだけか、渡してもらえるか |
| ⑤ お金 | 料金などの額、支払いの時期と方法 | 総額はいくらか。前払いか後払いか。何に追加料金がかかるか |
| ⑥ やめるとき | 契約の解除に関する定め | いつまでなら、いくらでやめられるか。途中でやめたら、どう計算するか |
| ⑦ 委託 | 委託に関する定め | ほかの業者に調査を任せることがあるか |
| ⑧ 資料の処分 | 資料の処分に関する定め | 写真や動画などの資料を、いつ・どう処分するか |
出典:探偵業の業務の適正化に関する法律 第8条2項(e-Gov)をもとに編集部で整理。
このほか、契約書には探偵業者の名前・住所、契約を担当した人の名前と契約した日も書かれます。
⑦委託・⑥やめるとき・⑧資料の処分は、決まりがある場合に書く項目です。契約書に見当たらないときは、契約の前の書面(こちらには必ず書かれます)で確かめましょう。
とくに確かめたい「延長」と「成功」
浮気調査で行き違いになりやすいのが、次の2つです。警察庁の解釈の基準では、契約書の「調査の期間・方法」には、途中で追加料金がかかる調査をするかどうかまで具体的に書くこと、成功報酬のように金額が変わる場合は、かかりうる最大の総額を明らかにすることが求められています。契約書に書いていなければ、書いてもらうか、メールなど形に残る方法で答えをもらいましょう。
- 延長:調査を延ばすとき、あなたの了解を取ってから延ばすのか。延長の料金はいくらか
- 成功:成功したら払う料金があるなら、何をもって「成功」とするのか(例:「2人で出入りする写真がとれたとき」など、具体的に)
料金のしくみ(時間制・パック・成功報酬)のちがいは、浮気調査の費用相場と見積書の読み方で説明しています。
契約の前の書面と、見比べる
契約の前には、あらかじめ重要なことを書いた書面で説明を受けているはずです(第8条1項)。前の書面は「概算」、契約書は「確定」です。前に聞いた額や期間と、契約書の額や期間がずれていないかを見比べましょう。
契約の前と後の2通の書面のちがいは、失敗しない探偵の選び方の図で比べています。
やめたくなったら:時期で考え方が変わる
結論:いったん契約すると、原則は契約書のとおりです。ただ、解約料が高すぎる部分は無効になる可能性があり、業者に落ち度があれば返金などを求められる可能性もあります。
『ゆりの一週間』「途中でやめたら、全額?」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:昼のカフェ。ゆり「もし途中でやめたら、全額払うのかな…」
- 2コマ目:まき「契約書の"やめるとき"のところ、読んだ?」
- 3コマ目:テーブルの上のホーさん「計算のしかたは、聞いていいホー」
- 4コマ目:ノートに書くゆり「いつまでなら、いくら。聞いておこう」

国民生活センターの「消費者トラブル解決ナビ」には、探偵の解約や支払いについてのFAQ(よくある質問と答え)が載っています。時期ごとに、そこで案内されていることをまとめました。
調査が始まる前にやめたい
- 原則は、契約書の解約の決まりに従います。まず解約の欄を読み、解約料の内訳が分からなければ業者に確かめます。
- 解約料のうち、業者に生じる平均的な損害を超える部分は無効になる可能性があります(消費者契約法第9条)。ただし、当てはまるかどうかは複雑で、争いになることもあると案内されています。
調査の途中でやめたい
- 契約書や利用規約で、途中でやめたときの「まだ調べていない分」の代金や、払ったお金の扱いを確かめます。
- 返金の額に納得できなければ、金額の根拠や計算のしかたの説明を求めましょう(国民生活センターのFAQ)。解約料(違約金)を請求されたときは、消費者契約法でも、業者は説明を求められたら、その算定の根拠の概要を説明するよう努めなければならないとされています(第9条2項)。
調査が終わったが、思ったような結果ではなかった
- 一般的には、契約書に書かれた調査が行われていれば、思ったような結果でなくても支払いの義務が生じるとされています。
- ただし、調査が足りないなど業者に落ち度があった場合は、調査をやり直してもらうことや、返金などを求められる可能性があります。契約のときのやりとりなど、経緯を業者に伝えて話し合いましょう。
だからこそ、付箋①〜④(内容・期間・方法・報告)を、契約の前に具体的にしておくことが大切です。
契約のときに困ること:3つの場面
結論:書面をもらえない、帰らせてもらえない、説明と違う。こんなときは、その場で決めずに、188に相談しましょう。

書面をくれない・「あとで送る」と言われる
契約の前の書面も、契約のあとの書面も、渡すことは探偵業法で決められた義務です(第8条)。渡さない業者には罰則があり(第19条)、公安委員会から指示や営業停止などの処分を受けることもあります(第14条・第15条)。書面をもらえないまま、お金を払うのはやめましょう。
しつこく勧誘された・帰らせてもらえなかった
断ってもしつこく勧誘されたなど、勧誘に問題があった場合は、契約の取り消しを主張できる可能性があると、国民生活センターは案内しています。消費者契約法には、帰りたいと言ったのに帰らせてもらえない、家族などに相談の電話をしたいと言ったのに強い言い方でさせてもらえない、といった勧誘で契約したときに、取り消せるという決まりがあります(第4条3項)。取り消せる期間には限りがある(困った状態がなくなってから1年、契約から5年。第7条)ので、当てはまるかどうかは、早めに188で相談してください。
説明と、契約書の中身が違う
口で聞いた話と契約書が違うときは、サインする前に「ここは、こう聞きました」と伝えて、直してもらうか、説明を書いてもらいます。サインしたあとで気づいたら、いつ・だれから・何と聞いたかをメモしておき、188に相談しましょう。料金など大事なことについて、事実と違う説明を受けて契約した場合は、取り消せることもあります(消費者契約法第4条1項)。
クーリング・オフはできる?
探偵の契約でも、契約したときの状況によっては、クーリング・オフ(一定の期間なら、理由を言わずに契約をやめられる制度)の対象になる可能性があります。目安は次のとおりです(特定商取引法、国民生活センターの説明をもとに整理)。
- 自分から探偵の事務所に行って契約した:原則として対象になりません
- 事務所以外の場所(喫茶店など)で契約した、目的を告げずに呼び出されて契約した:訪問販売として、対象になる可能性があります
- 業者からの電話で勧誘されて申し込んだ:電話勧誘販売として、対象になる可能性があります
- 自分から自宅に来てもらって契約した、ネットやメールで自分から申し込んだ:対象にならないことが多いです
対象になる場合の期間は、法律で決められた書面を受け取った日から8日です。書面に不備があると、8日を過ぎてもできる場合があります。当てはまるか分からないときは、すぐに188で聞いてください。
困ったときの相談先
結論:まず業者に、形に残る方法で伝えます。話がまとまらなければ、188(消費生活センター)へ。お金の争いになりそうなら、弁護士にも相談できます。

- 業者に伝える:何に困っているか、どうしてほしいかを、メールなど形に残る方法で伝えます。電話なら、日時と相手の名前、言われたことをメモします。
- 消費生活センター(188):消費者ホットライン「188(いやや!)」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。
- 弁護士:お金の返還など、争いになりそうなときは弁護士に相談できます。費用が心配なら、法テラス(日本司法支援センター)や弁護士会の法律相談センターがあります。
国民生活センターの選び方のFAQでは、相談先として、188のほかに業界団体(一般社団法人 日本調査業協会)の無料相談フォームも紹介されています。フォームでは、名前・電話番号・住所の入力が必要で、返事までに数日かかることがあります。
『ゆりの一週間』「188に電話してみた」
漫画の内容を文字で読む
- 1コマ目:自宅で電話をかけるゆり「探偵との契約のことで、相談したくて…」
- 2コマ目:電話の声(相談員)「契約書と、やりとりのメモはお手元にありますか?」
- 3コマ目:テーブルの上のホーさん「日時と、言われたことを書いておくと伝わるホー」
- 4コマ目:ノートと書面を手に、落ち着いて答えるゆり「はい。書面も、メモもあります」
相談の前に、手元にそろえるもの

- 契約の前の書面と、契約書(契約のあとの書面)
- 見積書、領収書、振り込みの記録
- 業者とのメールやメッセージ
- 電話や面談で言われたことのメモ(日時・相手の名前・内容)
- どこで・どうやって契約したかのメモ(事務所で、喫茶店で、電話で勧誘されて など)
- 「どうしてほしいか」のメモ(やめたい、返してほしい、説明してほしい など)
ふだんから記録ノートをつけているなら、そこに書いておくと話が早く進みます(夫の浮気かも?と思ったら最初の1週間)。
よくある質問
Q1. 契約書をもらっていません。どうすればいいですか?
契約のあとの書面を渡すことは、探偵業法で決められた義務です(第8条2項)。まず業者に、書面を渡してほしいと形に残る方法で伝えましょう。それでも渡してもらえないときは、188に相談してください。
Q2. 調査中に「延長しますか」と電話がありました。その場で答えないといけませんか?
その場で決めなくてかまいません。延長の料金と、延ばす時間を確かめてから答えましょう。延長のルールは、契約書(付箋②③⑤)で確かめておくと安心です。
Q3. 書類を家に送られると、夫に知られそうで心配です。
契約の前に、書類の受け取り方(事務所で受け取る、自分だけのメールアドレスに送ってもらう など)を相談しておきましょう。連絡方法の相談に応じてくれるかも、業者を選ぶときの目安になります。
Q4. 調査で撮った写真や動画は、あとでどうなりますか?
資料の処分は、契約の前の書面に必ず書くことになっています(第8条1項)。契約書にも、処分の決まりがあれば書かれます(第8条2項)。いつ・どう処分するのか、報告書と一緒に渡される資料は何か(見せてもらうだけか、渡してもらえるか)を、付箋⑧と④で確かめておきましょう。
Q5. 「今日中に契約すれば割引」と言われました。
急いで決める必要はありません。契約の前の書面を持ち帰って、家で読んでから決めてかまいません。
急かされたときの考え方は、失敗しない探偵の選び方の「立ち止まったほうがいいサイン」にまとめています。
まとめ:決める前に付箋、困ったら188

- 契約書は、内容・期間・方法・報告・お金・やめるとき・委託・資料の処分の8つに付箋を貼って確かめる
- 延長は了解を取ってからか、「成功」とは何かを、形に残しておく
- やめるときは原則、契約書のとおり。ただし高すぎる解約料は無効の可能性、業者に落ち度があれば返金などの可能性
- 書面をくれない、しつこい勧誘は、その場で決めない
- 困ったら、消費者ホットライン「188」
契約は、あなたが納得してからで大丈夫です。分からないところは、遠慮なく聞いてください。
この記事を書いた人・運営者情報
- 執筆:浮気かもノート編集部
- 運営:浮気かも?と思ったら読むノート(浮気かもノート編集部/運営者情報)
- このサイトについて:法律や制度は、法令・警察庁・国民生活センターなどの公式情報で確かめています。広告には「PR」と表示し、漫画はフィクションです(広告掲載ポリシー)。個別の契約については、消費生活センターや弁護士にご相談ください。
参考資料(2026年10月11日閲覧)
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov法令検索。第8条・第14条・第15条・第19条) https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC1000000060 /警察庁「探偵業について」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/tanteigyou/
- 警察庁「探偵業の業務の適正化に関する法律等の解釈運用基準について(通達)」(令和6年4月1日) https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/seiki/20240401seianki168.pdf
- 消費者契約法(e-Gov法令検索。第4条・第7条・第9条) https://laws.e-gov.go.jp/law/412AC0000000061
- 特定商取引に関する法律(e-Gov法令検索。第2条・第9条・第24条・第26条) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057 /国民生活センター「クーリング・オフ」 https://www.kokusen.go.jp/soudan_now/data/coolingoff.html /消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/doortodoorsales/ ・「電話勧誘販売」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/telemarketing/
- 国民生活センター「消費者トラブル解決ナビ」FAQ:【探偵】調査開始前に解約したいが、解約料が高額だ。払いたくない。 https://www.consumer.go.jp/pio/ja?id=kb_article_view&sys_kb_id=0b8863352b377e50e810f9355e91bf30
- 同:【探偵】調査期間中だが自己都合で解約したい。未調査分を返金してほしい。 https://www.consumer.go.jp/pio/ja?id=kb_article_view&sys_kb_id=d388eb393b37fa90e444978a04e45a65
- 同:【探偵】調査が完了したが、思ったような成果が得られなかった。返金してほしい。 https://www.consumer.go.jp/pio/ja?id=kb_article_view&sys_kb_id=ab88eb393b37fa90e444978a04e45aa0
- 同:【探偵】探偵業者や興信所を選ぶ際に、注意すべき点は何か。 https://www.consumer.go.jp/pio/ja?id=kb_article_view&sys_kb_id=d288eb393b37fa90e444978a04e45a16
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
- 法テラス(日本司法支援センター) https://www.houterasu.or.jp/ /日本弁護士連合会「全国の弁護士会の法律相談センター」 https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/search/center.html
- 一般社団法人 日本調査業協会「お問い合わせ」 https://nittyokyo.or.jp/contact/
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