浮気の慰謝料の相場は?探偵に頼む前に考えたい「費用とのバランス」【漫画でわかる】

浮気の慰謝料に、決まった計算式はありません。弁護士の解説では、浮気のあとも離婚しない場合は数十万〜100万円ほど、離婚に至った場合は100万〜300万円ほどを目安とするものが多く見られます。ただ、これはあくまで目安で、実際の金額は、浮気の期間や夫婦の事情などで大きく変わります。

探偵に頼む前に考えたいのは、「慰謝料で調査費用を取り戻せるか」だけではありません。調査費用と弁護士費用、そして「何のために調べるのか」を並べて考えると、あとで後悔しにくくなります。個別の見通しは、法テラスや弁護士会の法律相談で聞くことができます。

この記事で分かること

  1. 弁護士の解説にみる、慰謝料の目安と、金額を左右する主な事情
  2. だれに請求するか(夫・浮気相手)で気をつけること
  3. 調査費用と見通しを並べて考える方法と、公的な相談先

『ゆりの一週間』「取り戻せるのかな」

漫画『ゆりの一週間』「取り戻せるのかな」
※この漫画はフィクションです。登場する人物・団体は架空のものです。
漫画の内容を文字で読む
  1. 1コマ目:夜のダイニング。紙とノートを前にしたゆり(心の声)「調べてもらうと、何十万円…」
  2. 2コマ目:頬づえをつくゆり「慰謝料で、取り戻せるのかな」
  3. 3コマ目:テーブルの上のホーさん「お金と一緒に、"何のために"も並べるホー」
  4. 4コマ目:ノートに2つの丸を書くゆり「費用と、目的。書き出してみよう」

慰謝料の目安:弁護士の解説では

結論:いちばん大きく分かれるのは、浮気のあとに夫婦が同居を続けるか、別居・離婚に至ったかです。弁護士の解説の目安は、離婚しない場合で数十万〜100万円ほど、離婚に至った場合で100万〜300万円ほどとするものが多く見られます。

慰謝料の目安(弁護士の解説より)。決まった計算式はなく、事情によって変わる。同居を続ける(離婚しない)場合は数十万〜100万円ほど(200万円ほどまでとする解説もある)、別居に至った場合は50万〜200万円ほど、離婚に至った場合は100万〜300万円ほど。浮気相手に求められるのは原則として浮気そのものへの慰謝料で、離婚に伴う慰謝料は特別な事情がない限り浮気相手には求められない(最高裁 平成31年2月19日判決)
浮気のあとの夫婦弁護士の解説にみる目安
同居を続ける(離婚しない)数十万〜100万円ほど(200万円ほどまでとする解説もある)
別居に至った50万〜200万円ほど
離婚に至った100万〜300万円ほど

出典:法律事務所リーガルスマート、リバティ・ベル法律事務所、弁護士法人G&S法律事務所、不倫慰謝料弁護士コンパスの公開解説(2026年10月確認)をもとに編集部で整理。「別居に至った」の目安を分けて示しているのはリバティ・ベル法律事務所の解説、「200万円ほどまで」は弁護士コンパスの解説です。解説によって幅は少しずつ違います。

※浮気相手に求められるのは、原則として「浮気そのもの」への慰謝料です。「離婚することになった」ことへの慰謝料は、特別な事情がない限り浮気相手には求められない、とした最高裁判決があります(平成31年2月19日判決)。

慰謝料は、浮気によって受けた心の苦しみへの賠償で、民法の不法行為(第709条・第710条)の考え方で請求されることが多いと説明されています。ここでいう浮気は、法律の言葉では「不貞な行為」で、配偶者のある人が、自由な意思で配偶者以外の人と性的関係を結ぶことだとされています(最高裁 昭和48年11月15日判決)。

裁判所が浮気の慰謝料の金額だけをまとめた、公的な統計は見当たりません。上の目安は、弁護士が裁判例や経験をもとに説明しているものです。

「不貞な行為」と証拠の考え方は、浮気の証拠になるもの・ならないもので説明しています。

金額を左右する主な事情

結論:浮気の期間や回数、結婚していた期間、子どもの有無、浮気の前の夫婦の関係などを合わせて見て、決められます。

金額を左右する主な事情7つ。低くなる方向と高くなる方向:浮気の期間・回数(短い・一度だけ/長い・回数が多い)、結婚していた期間(短い/長い)、子ども(いない・成人している/幼い子どもがいる)、浮気のあとの夫婦(同居を続けている/別居・離婚に至った)、浮気の前の夫婦の関係(もともと壊れていた/円満だった)、浮気相手の態度(既婚と知らなかった/既婚と知りながら続けた)、分かったあとの態度(認めて謝っている/認めない・謝らない)。いくつもの事情を合わせて見て決められる。相手の収入・資産の扱いは弁護士の解説でも見方が分かれる
事情高くなる方向低くなる方向
浮気の期間・回数長い、回数が多い短い、一度だけ
結婚していた期間長い短い
子ども幼い子どもがいる子どもがいない、成人している
浮気のあとの夫婦別居・離婚に至った同居を続けている
浮気の前の夫婦の関係円満だったもともと関係が壊れていた
浮気相手の態度既婚と知りながら続けた、関係を主導した既婚と知らなかった
浮気が分かったあとの態度認めない、謝らない認めて、謝っている

出典:弁護士の公開解説(法律事務所リーガルスマート、弁護士法人G&S法律事務所ほか。2026年10月確認)をもとに編集部で整理。

いくつか、知っておきたいことがあります。

  • 浮気の前から夫婦関係が壊れていた場合:長い別居などで、浮気が始まった時点ですでに夫婦関係が壊れていたと認められると、浮気相手は原則として責任を負わない、とした最高裁判決があります(平成8年3月26日判決)。
  • 浮気相手が既婚と知らなかった場合:不法行為は、わざと、または不注意(過失)で他人の権利を侵害したときに責任が生じるとされています(民法第709条)。既婚だと知らず、知らなかったことに落ち度もないときは、浮気相手には請求が難しくなることがあります。
  • 「夫婦関係はもう壊れている」と聞いていた場合:そう信じたことに相当の理由があれば、浮気相手に過失はないとされることがある、という最高裁判決があります(令和8年6月5日判決)。「離婚する」と聞いていただけで、責任がなくなるわけではありません。
  • 相手の収入や資産:金額にどう影響するかは、弁護士の解説でも見方が分かれています。支払える力によって、実際に払ってもらえる額が変わることはあります。

だれに請求する? 夫・浮気相手・両方

結論:慰謝料は、夫にも浮気相手にも請求できるとされています。ただ、離婚しない場合は「家計はひとつ」なので、浮気相手だけに請求したときの扱いに注意が必要です。

浮気は、夫と浮気相手の2人でした不法行為として、2人が連帯して責任を負うと説明されることが多いです(民法第719条)。そのため、どちらか一方に請求することも、両方に請求することもできるとされています。ただし、2人から合わせて、損害の額より多く受け取れるわけではありません。

離婚しない場合に気をつけたいのが、「求償(きゅうしょう)」です。浮気相手が慰謝料を全額払ったあと、「夫の負担分を払って」と夫に求めることがあり、そうなると、夫婦の家計から見ると、受け取ったお金の一部が出ていくことになります。そのため、示談のときに浮気相手が求償をしないと約束する形をとることがある、と弁護士の解説で説明されています。

『ゆりの一週間』「家計は、ひとつだもんね」

漫画『ゆりの一週間』「家計は、ひとつだもんね」
※この漫画はフィクションです。登場する人物・団体は架空のものです。
漫画の内容を文字で読む
  1. 1コマ目:昼のカフェ。ゆり「離婚はしないつもりなの。でも、慰謝料って…」
  2. 2コマ目:まき「相手から払ってもらっても、夫に回ってくることがあるらしいよ」
  3. 3コマ目:テーブルの上のホーさん「"求償"というホー。弁護士に聞くといいホー」
  4. 4コマ目:ノートに書くゆり「家計は、ひとつだもんね。聞くことに入れておこう」

浮気相手に直接会って、お金を払う約束を書かせようとするのは、おすすめしません。脅したり、帰さないようにしたりして書かせると、あなたが罪に問われるおそれがあります。請求のしかたは、弁護士に相談してから決めましょう。

調査費用と、見通しを並べて考える

結論:「調査費用が慰謝料で戻る」と決めつけず、費用・見通し・目的を並べて考えましょう。離婚しない場合は特に、調査の日数によっては費用のほうが大きくなることもあります。

調査費用と見通しの天秤(水平)。かかるもの:調査費用(人数×時間+経費)、弁護士費用、時間と気持ちの負担。得られるもの:慰謝料の見通し(事情しだい)、本当のことが分かる、話し合いや手続きの材料。支点に「何のために調べる?」。調査費用は、あとで取り戻せるとは限らない

天秤の片側に「かかるもの」、もう片側に「得られるもの」をのせてみます。

かかるもの得られるもの
調査費用(人数×時間+経費)慰謝料の見通し(事情しだい)
弁護士費用本当のことが分かる
時間と、気持ちの負担話し合いや手続きの材料

たとえば、調査費用は「調査員の人数×時間+経費」で決まり、時間単価を公開している社の単価で計算すると、2名で1日5時間・2日頼んだ場合で14万円ほど(+経費)という例になります(浮気調査の費用相場と見積書の読み方の計算例)。離婚しない場合の慰謝料の目安(数十万〜100万円ほど)と並べると、調査が長くなるほど、差が小さくなっていくことが分かります。さらに、慰謝料を請求するときには弁護士費用がかかることもあります。

調査費用は、相手に請求できる?

調査費用を慰謝料と一緒に夫や浮気相手に請求できるかは、事情によって判断が分かれます。弁護士の解説では、裁判で調査費用が損害として認められないことも多く、認められても、払った額の一部だけのことが多いとされています。「あとで取り戻せる」と決めつけて予算を組まないことが大切です。ここは法律の判断になるので、弁護士に相談してください。

バランスをとるためにできること

  1. 目的を先に決める:本当のことを知りたいのか、やり直すための話し合いの材料がほしいのか、離婚や慰謝料の手続きの資料にしたいのか
  2. 必要な資料を、先に弁護士に聞く:手続きの資料にしたいなら、どんな記録が何回分あるとよいかを聞いてから、探偵に頼む範囲を決める
  3. 日と時間を絞る:記録ノートで「怪しい日」を見つけ、調べる時間を減らす
  4. 払える上限を、探偵に先に伝える:その範囲でできる調べ方を、一緒に考えてもらう

日と時間の絞り方は、浮気調査は1日だけでも頼める?で説明しています。

目的によって、考え方が変わる

結論:慰謝料がいちばんの目的とは限りません。何のために調べるかで、かけてよい費用も、相談する相手も変わります。

目的別に考えたいことと相談先。本当のことを知りたい:必要なところだけ日を絞って調べる→探偵(日を絞って相談)。やり直すための話し合いをしたい:話し合いの材料、慰謝料を求めるか(求償のこと)→弁護士・夫婦の話し合い。離婚や慰謝料の手続きをしたい:どんな資料が要るか、費用の見通し→弁護士(法テラス・弁護士会の法律相談)。迷っているあいだは記録ノートを続けるだけでも役に立つ
目的考えたいこと相談先
本当のことを知りたい必要なところだけ、日を絞って調べる探偵(日を絞って相談)
やり直すための話し合いをしたい話し合いの材料と、慰謝料を求めるかどうか(求償のこと)弁護士、夫婦の話し合い
離婚や慰謝料の手続きをしたいどんな資料が要るか、費用の見通し弁護士(法テラス・弁護士会の法律相談)

迷っているあいだは、記録ノートを続けておくだけでも、あとで役に立ちます(夫の浮気かも?と思ったら最初の1週間)。

慰謝料のことは、公的な窓口で相談できる

結論:慰謝料がいくらになりそうか、だれに請求するのがよいかは、弁護士に聞くことです。費用が心配なら、法テラスや弁護士会の法律相談があります。

『ゆりの一週間』「それは、弁護士さんに」

漫画『ゆりの一週間』「それは、弁護士さんに」
※この漫画はフィクションです。登場する人物・団体は架空のものです。
漫画の内容を文字で読む
  1. 1コマ目:相談室。ゆり「慰謝料って、いくらくらいになりますか?」
  2. 2コマ目:佐伯さん「それは、弁護士さんに聞いていただくのがいちばんです」
  3. 3コマ目:紙を受け取るゆり「法テラスや、弁護士会の相談があるんですね」
  4. 4コマ目:佐伯さん「調べる範囲は、そのご相談に合わせて決めましょう」
  • 法テラス(日本司法支援センター):収入(手取りの月収)と資産(現金・預貯金)が一定の基準以下の人は、弁護士などに無料で法律相談ができます(1回30分、同じ問題について3回まで。原則予約制)。基準は家族の人数や住んでいる地域で変わり、たとえば東京に住む3人家族なら、月の手取り29万9,200円・資産270万円が目安です。離婚など、夫が相手になる相談では、あなた自身の収入と資産だけで見ます。弁護士費用の立て替えの制度もあります。
  • 弁護士会の法律相談センター:各地の弁護士会が開いている相談窓口です。相談料は窓口によって違います。

探偵は、調査の専門家です。慰謝料の見込みや、請求のしかたといった法律の判断は、弁護士に相談しましょう。

探偵に相談するときの選び方は、失敗しない探偵の選び方で説明しています。

よくある質問

Q1. 夫の側(妻の浮気)でも、考え方は同じですか?

この記事の考え方は、妻と夫のどちらの立場でも同じです。慰謝料の目安や、金額を左右する事情も、性別で変わるものではないと説明されています。

Q2. 体の関係がなくても、慰謝料は請求できますか?

法律でいう「不貞な行為」は性的関係のことなので、それがないと、請求は難しくなることが多いと説明されています。ただ、事情によって判断されることもあるので、気になるときは弁護士に相談しましょう。

Q3. 慰謝料の請求に、期限はありますか?

あります。民法では、不法行為の損害賠償の請求権は、損害と加害者を知った時から3年、または不法行為の時から20年で、時効によって消えるとされています(第724条)。夫に請求する場合などは数え方が変わることもあるので、早めに弁護士に相談しましょう。

期限の数え方は、浮気の証拠になるもの・ならないもののQ5でもふれています。

Q4. 浮気相手が「既婚と知らなかった」と言っています。

知らなかったことに落ち度がなければ、浮気相手への請求は難しくなることがあります。ただ、本当に知らなかったか、知ることができたかは、事情しだいです。手元の記録を持って、弁護士に相談しましょう。

Q5. 調査をせずに、慰謝料を請求できますか?

夫や浮気相手が浮気を認めていれば、話し合いで決まることもあります。認めないときや、裁判所の手続きになりそうなときは、証拠が大事になります。どこまで調べるかは、先に弁護士に聞いてから決めると、むだが減ります。

LINEのやりとりがどこまで証拠になるかは、LINEは浮気の証拠になる?で説明しています。

まとめ:「戻るか」より先に「何のために」を決める

慰謝料と調査費用、ここだけ押さえる5つ。慰謝料に決まった計算式はない(弁護士の解説の目安:離婚しない場合 数十万〜100万円ほど、離婚に至った場合 100万〜300万円ほど)、期間・回数や結婚していた期間・子ども・浮気の前の夫婦関係などで変わる、離婚しないなら浮気相手だけに請求したときの求償に注意、調査費用は戻ると決めつけず費用・見通し・目的を並べる、個別の見通しは法テラスや弁護士会の法律相談で
  • 慰謝料に決まった計算式はない。弁護士の解説では、離婚しない場合で数十万〜100万円ほど、離婚に至った場合で100万〜300万円ほどが目安とされることが多い
  • 金額は、浮気の期間・回数、結婚していた期間、子ども、浮気の前の夫婦関係などで変わる
  • 離婚しない場合は、浮気相手だけに請求したときの求償に注意
  • 調査費用は「戻る」と決めつけない。費用・見通し・目的を並べて考える
  • 個別の見通しは、法テラスや弁護士会の法律相談で

お金のことを考えるのは、自分を守るためです。迷ったら、ひとりで決めずに相談してください。

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  • 執筆:浮気かもノート編集部
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参考資料(2026年10月11日閲覧)

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